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退職金課税「増税」は本当?

iDeCo拠出限度額 株式投資の心構え
2022年10月からのiDeCo拠出限度額(iDeCo公式ページより引用)
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 こんにちは、今年夏に入り、各種メディアや交流サイト(SNS)で退職金課税見直しに関する報道や観測が話題になっています。中には「退職金課税が増税されるのではないか」「退職所得控除が減額される」などという話もあります。退職金課税見直しは個人型確定拠出年金(iDeCo)の一時金受け取りにも影響してきます。確かに退職金増税の懸念がないわけではありませんが、現状では決まったわけでも、政府方針が示されたわけでもありません。2023年の骨太の方針(経済財政運営と改革の基本方針2023)で「退職所得課税制度の見直しを行う」と記載されていますが、退職金課税増税とも退職所得控除減額とも一切書かれていません。楽天証券コラムサイト「トウシル」に、1級DCプランナーで企業年金に精通している山崎俊輔氏が記事を掲載していました。退職金課税見直しに関し、冷静に現状と見立てを記している記事だと思います。

 

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増税とは一言も書かれていない

経済財政運営と改革の基本方針2023 - 内閣府
経済財政諮問会議は、経済財政政策に関し、内閣総理大臣のリーダーシップを十分に発揮することを目的にして、2001年1月に内閣府に設置された合議制機関です。

 退職金や、iDeCo及び企業型確定拠出年金(企業型DC)、確定給付企業年金(DB)の一時金に対する退職所得控除は原則「勤務(加入年数)20年以下は年40万円×勤務年数、勤務20年超から800万円+年70万円×(勤続年数-20)」で算定されています。例えば、勤務38年ならば、控除額は2,060万円になります。一方、2社に20年ずつ計40年勤務した場合は、勤務期間が前出より2年長いにも関わらず控除額は1,600万円になってしまいます。山崎氏は記事で現状の退職所得控除は本人の転職意思を妨げる一定の抑止効果があるとしています。骨太の方針の退職所得控除の記載に関し「勤続40年の時代ならば年55万円の退職所得控除で統一、70歳現役社会の到来を念頭に置くならば年57.5万円だっらいい」と解釈しているといいます。さらに、経済財政諮問会議で指摘された内容は「20年働かないと(引用者注:1年当たりの退職所得控除の)枠が増えないのはおかしい」という点にあり、1年当たりの退職所得控除を40万円に均一に変更すると意味ではないと付け加えています。今年の議論だけで退職所得控除を一律年40万円に引き下げを実行するのは正直無理筋であると述べています。

 

最低一律年60万円を

「退職金課税で増税」は本当?iDeCoへの影響は? | トウシル 楽天証券の投資情報メディア
6月、株高で気を良くしているところに不安を投じた話題が「退職金課税見直し」というものです。 2023年の骨太の方針(経済財政運営と改革の基本方針2023)に、退職金課税の見直しが掲げられ、すわ「退職金の非課税枠の縮小化」と騒がれているわ…

 山崎氏の記事では、連合が退職所得控除に関し、勤続1年当たりの控除額を一律60万円にすべきと求めている話を紹介しています。「影響に配慮し慎重に議論を」と書かれている資料もあるとした上で、そう簡単に退職所得控除の総枠減少にはならないという見解を示しています。退職所得控除は現状の年40万円・70万円の単純中間値である年55万円一律にするのがとりあえずいいと述べています。物価上昇を考慮すれば「退職所得控除の枠を増やせ」と主張してもいいくらいだと語ります。さらに、退職金増税への国民の強い否定的な反応や報道が、退職金課税強化を簡単にはさせにくくするとしています。私自身も、退職所得控除の勤続1年当たりの控除額一律化の議論は現状、一律40万円=増税を意味するものではないという立場です。楽観は決してできませんが恐らく今後、年55~60万円一律で綱引きがあるのではないかと思います。物価上昇を加味すれば、一律ならば最低でも60万円とすべきだと思います。一律40万円なんて論外で、一律50万円以下でも強く反対の声を上げ続けると思います。

 

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