こんにちは、上場投資信託(ETF)を除く国内公募追加型株式投資信託の2023年7月末時点の純資産総額ランキングトップ20の投資信託で、低コストインデックス型は6本がランクインしました。日経電子版が7日報じました。そのうち、トップ5に積み立て型少額投資非課税制度(つみたてNISA)対象で時価総額加重平均型のS&P500指数連動、全米株価指数連動、全世界株価指数(日本含む)のいずれかに連動する4本がランクインしました。ランキング最上位層に低コストかつ基軸指数に連動する低コストインデックスファンドが入ることは、日本の投資環境が向上してきているあかしだと感じています。
4本は純資産総額1兆円超え
トップ20に入った投資信託は【表】の通りです。トップ5に入った低コストインデックス型はeMAXIS Slim 米国株式(スリム米国株式)が2兆4,610億円(前月比1,052億円増)と首位を守り、オルカンは1兆3,363億円(同852億円増)とし3位をキープしました。楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)は1兆551億円(同357億円増)で一つ順位を上げ4位、SBI・V・S&P500インデックス・ファンド(SBIVOO)は1兆501億円(同391億円増)と順位が上昇し5位にランクインしました。他の低コストインデックスファンドは、<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド(ニッセイ先進国株)が17位、野村外国株式インデックスファンド・MSCI‐KOKUSAI(野村先進国株DC)が18位と前月の順位と変わりませんでした。ニッセイ先進国株はつみたてNISA対象で、野村先進国株DCは確定拠出年金(DC)限定です。トップ20に入った6本は運用管理費(信託報酬)も業界最低水準の安さです。
極悪非道の毎月分配型投信
一方、純資産総額ランキングトップ20には、毎月分配型(毎月決算型)投資信託を代表とする手数料をぼったくる極悪投資信託が複数残り続けています。購入するだけで1~3%程度の手数料が発生し、毎年1~2%超の信託報酬が発生し続けます。つみたてNISA対象の低コストインデックスファンドならば、売買手数料は無料で信託報酬は年0.1未満~年0.2%程度であるのに比べ、極めてコストが高いです。さらに、毎月分配型投資信託は複利運用の基本に真っ向から反する最低な劣悪金融商品であり、投資家から手数料を巻き上げることだけを目的とした悪徳投資信託です。たとえどんな理由があろうと投資する価値は一切ありません。経費控除後の配当や利子だけでなく、分配金の原資として到底適切とは思えない値上がり益や収益調整金、分配準備積立金を平気で原資としてきます。しかも、強引に分配金を払い出すために元本から取り崩すタコ足分配が当たり前のように行われています。さらに、多くの人にとって商品の仕組みが理解しがたい金融派生商品(デリバティブ)取引を駆使したタイプが多いです。
新NISAの成長投資枠候補にねじ込まれた隔月分配型
2024年から始まる新NISAで、毎月分配型投資信託は投資対象から除外されます。一方で、ある運用会社は毎月分配型と変わらない劣悪かつ極悪金融商品の隔月分配型投資信託を新NISAの成長投資枠対象商品候補にねじ込んできました。しかも、ご丁寧に奇数月分配型と偶数月分配型を揃えてます。「この隔月分配型投資信託を新NISAで2本投資すると、毎月分配金がもらえ生活の足しになりますよ」なんて言って営業攻勢をかけて来る姿も浮かびます。形を変えた毎月分配型をNISAで扱いたいという浅ましい執念すら感じます。よくもまあ、規制をすり抜ける悪知恵だけは働くなあとある意味感心しています(苦笑)。
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