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超低コスト全世界株投信、また誕生へ

野村全世界株 株式投資の心構え
野村全世界株はMSCI ACWIに連動し、オルカンやトレカン同様に現物株を購入するタイプ(EDINETより引用)
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 こんにちは、野村アセットマネジメント(野村AM)は23日、国内最低水準のコストの全世界株インデックスファンド「はじめてのNISA・全世界株式インデックス Funds i-Basic 全世界株式」(野村全世界株)を7月10日に新規設定すると発表しました。売買手数料、信託財産留保額無料で、運用管理費(信託報酬)年0.05775%です。全世界株インデックスファンドでは、4月に運用開始したTracers MSCIオール・カントリー・インデックス(トレカン)と同水準の安さで、eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)よりも信託報酬水準で年0.05555%安いです。全世界株インデックスファンドで1兆円規模を誇るオルカンに対し、トレカンに続いて低コスト勝負を挑んできました。

 

 

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総経費率の優劣は不明

野村全世界株
野村全世界株の信託報酬は年0.05775%。指数使用料が信託報酬に含まれているか否かは断定できない(EDINETより引用)
野村全世界株
野村全世界株の信託期間は無期限(EDINETより引用)

 某大手対面型証券会社限定でしか取り扱わない客寄せ(ドアノック)商品と指摘されている「何とかスリーゼロ(笑)」を以前に出した運用会社ですが、野村全世界株に関しては某大手対面型証券会社以外にも取り扱い金融機関を増やす考えだそうです。今回は心意気は買いたいですし、確かに信託報酬はオルカンよりも安いです。しかし、年0.1%を大きく割り込む差ははっきり言えば誤差レベルで、指数への連動度合いや隠れコストで簡単にひっくり返る差です。買い替えなんてして下手に早期に課税されてしまったら、一生かけてもこの程度の信託報酬差では全然取り返せないです。総経費率の優劣は現時点では不明です。総経費率や何年か運用状況を確認してから判断しても遅くないと思います。さらに言えば、既存の Funds iシリーズの信託報酬を下げる形にしてほしかったと強く思っています。

つみたてNISA、新NISAつみたて枠対象に

野村全世界株
野村全世界株(EDINETより引用)
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野村全世界株の運用開始日は7月10日(EDINETより引用)
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野村全世界株の実質的な投資対象はMSCIコクサイ、MSCIジャパン、MSCIエマージング(EDINETより引用)
野村全世界株
野村全世界株はMSCI ACWIに連動し、オルカンやトレカン同様に現物株を購入するタイプ(EDINETより引用)

 野村AMのプレスリリースによると、野村全世界株は現行の積み立て型少額投資非課税制度(つみたてNISA)、2024年以降の新NISAのつみたて枠、成長投資枠の対象になる見通しだと言います。EDINETによると、連動する指数は時価総額加重平均型の全世界株価指数のMSCI ACWIです。上場投資信託(ETF)に投資をする形ではなく、オルカンやトレカン同様に現物株式などを保有する形を取るようです。日本を除く先進国株はMSCIコクサイ、日本株はMSCIジャパン、新興国株はMSCIエマージングに連動します。なお、EDINETを見ても、信託報酬年0.05775%に指数使用料が含まれるか否かは断定できませんでした。ちなみに、オルカンは信託報酬に指数使用料を含んでおり、トレカンは含んでいません。

どうする、オルカン!?

5月31日夜に開かれた三菱AMブロガーミーティングで、代田秀雄常務は「業界最低水準の運用コスト水準を将来にわたり目指し続ける」とするeMAXIS Slimの基本理念に変わりはないと強調しました。競合他社の運用報告書を分析して総経費率の内訳を仕分けしてeMAXIS Slimシリーズの投資信託が高ければ、一時的な要因以外に対しては対抗して引き下げると述べました。「ファンドの規模が小さい他社が総経費率引き下げを実現でき、規模が大きい我々ができないわけがない」とコストの対抗引き下げへ強い意志を示しました。野村全世界株の総経費率が仮にオルカンよりも低ければ、三菱AMは可能な範囲でオルカンの対抗引き下げを実行してくるか注目です。

 

S&P500指数でもコスト最低水準の投信

低コストインデックスファンド「はじめてのNISA」シリーズ(愛称:Funds-i Basic)を新規設定 | NOMURA
野村グループのニュースリリースです。野村はグローバル金融サービス・グループとして、国内外のお客様に付加価値の高い商品・サービスを提供しています。

 野村AMは野村全世界株以外にも「はじめてのNISA」シリーズの低コストインデックスファンドを7月10日から運用開始します。S&P500指数連動型などが入っています。圧倒的な低コストかつ純資産総額を誇る対抗商品が既に存在する全世界株価指数やS&P500指数連動型よりも、抜きん出て強い低コスト投資信託が思いつかない東証株価指数(TOPIX)や日経平均連動型の方が純資産総額が伸びるかもしれないです。TOPIXや日経平均のマザーファンドは、国内トップを独走する純資産総額数兆円から十数兆円超規模を誇る野村AMの巨大東証ETFと共有するとみられます。その点も利点になりえます。

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