こんにちは、10月の厚労省の社会保障審議会年金部会で、「65歳まで国民年金保険料を納める」という改革案が議題の一つとして紹介され、「5年の負担増」などと報道されました。世論はおおむね批判的でした。確かに年金支給の財源が賦課方式(現役世代の保険料を年金受給の財源にする制度)である点と、自分が支払った年金保険料の年数に応じて毎年の国民年金保険料が算定される年金受給の仕組みが混同しやすいのも背景にあると思います。しかし、消費生活アドバイザーの山崎俊輔氏が日経電子版で記したコラムによると、負担増に一見見えるものの、実は若者世代にとってはプラスが多い改正案としています。すごく内容がしっくりくるコラムでしたので、当ブログで紹介します。
※今回扱う改革案の議論は今後の話です。
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現役世代のみ給付プラス
現行では国民年金保険料を20歳から60歳まで60年間納付すれば、満額の老齢基礎年金を65歳から受け取れます。ここで国民年金加入期間が5年長くなると、5年分多く保険料を納めるようになります。具体的な数字を挙げれば、今の国民年金保険料は月1万6,590円で、5年分は計99万5,400円です。約100万円負担増になるように見えます。しかし、5年分多く納めた保険料が反映される給付先は今の年金生活者ではありません。山崎氏によると、年金部会の資料には「5年多く保険料を納めたこれからの世代」が給付増額を受けられると指摘しています。さらに、5年の負担増は5年分の給付増につなげることを想定しているとしています。40年から45年に期間を伸ばせば、年金加入期間は12.5%伸びます。2022年度の老齢基礎年金は年777,800円です。12.5%アップすれば97,225円上昇の年875,025円になります。現在の65歳の平均余命は男性20年程度、女性25年程度ですので、負担増より給付額のメリットの方が大きいと述べています。寿命が年々延びている現状を考えれば、山崎氏が指摘している通り、「人生100年時代」に合った年金制度にしていくべきだと考えます。
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