こんにちは、日経編集委員で良心的な金融や年金、資産運用のコラムを次々と執筆している田村正之氏が「NISAに押されるiDeCo 制度改正で『挽回』なるか」と題した論説を日経電子版で公開しました。個人型確定拠出年金(iDeCo)を取り巻く現状や加入状況、掛金の所得控除による効果の一例などを解説し、「NISAとiDeCoが両輪で活躍していくよう、制度改正の行方に注目したい」と締めくくっています。田村氏の主張に大筋で同意します。少額投資非課税制度(NISA)の口座数は6月末現在で約2,430万口座と対象の18歳以上の人口約1億人の2割強が保有している一方、iDeCoは同時点で337万人と対象の公的年金加入者の5%に過ぎないと明かしています。
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インフレ対応も課題
詳しい論説の内容は上のリンクからご覧ください(有料会員限定記事)。楽天証券に口座を開設し、取引アプリ「iSPEED」をダウンロードすれば日経テレコンから一定期間読むことができます。iDeCoを巡る直近の動きを扱った拙ブログの過去記事も併せて紹介します。田村氏の論説によると、6月末時点の前年同期比伸び率がNISA25%に対し、iDeCo13%と鈍化傾向にあると明かしています。税制優遇の大きさはiDeCoがNISAを上回る見方が多いとし、一定以上の所得があれば拠出時に掛金全体が所得控除対象になる効果は大きいとしています。12月から毎月の掛け金最大2万円に引き上げとなる確定給付企業年金(DB)加入会社員や公務員の対象者は千数百万人いると述べています。具体的な数字例を挙げながら、掛け金を増やす効果が大きいと訴えています。資産運用立国議員連盟が掛け金上限を個人事業主ら公的年金の第1号被保険者が月20万円、それ以外の第2号被保険者、第3号被保険者が月10万円にするよう首相に緊急提言した事実は、iDeCo拡充にとって追い風になると分析しています。さらに、専門家の意見を引用する形で限度額をインフレ連動で上げていく仕組みの導入の必要性を指摘しています。いずれも正論だと思います。付言すれば、凍結更新を続けている特別法人税の即時撤廃や退職所得控除、年金受け取り時の控除の改正は必須だと思います。
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