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金融所得課税強化(笑)に反対

金融所得税率一律税率 株式投資の心構え
金融所得税率の一律引き上げは富裕層より中間層の負担が大きくなる。見えにくいが、申告なし分の薄い棒グラフは中間層で高くなっている(2021年12月2日付日経朝刊より)
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 こんにちは、27日投開票の自民党総裁選で、株式の配当や売買にかかる金融所得課税強化の是非が争点の一つになってきました。複数の国内新聞社や通信社が報じました。石破茂氏が強化論を唱え、小泉進次郎氏や小林鷹之氏、河野太郎氏が反対の立場を強調しました。金融所得課税強化論(笑)は格差是正にはつながりません。富裕層にはさほど影響がなく中間層の税負担割合が重くなる結果、むしろ格差が拡大する可能性が高いです。株価や個人消費への悪影響につながる懸念もあります。石破氏は長く「党内野党」の立場で知られ、自民党の国会議員からは致命的にまで人望、信用がないものの、今回の総裁選では自民党への危機感から国民や党員人気が高めの石破氏に一定の票が流れる懸念があります。だからこそ、石破氏の誤った認識に基づく発言は到底看過できません。

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悪用される「1億円の壁」

1億円の壁
巷に出回っている「1億円の壁」のグラフ。639万人にすぎない申告納税者のみのデータで作られており、納税者全体のデータを全く反映していない(2021年12月2日付日経新聞朝刊より)

 石破氏が金融所得課税強化(笑)を強弁する根拠には、国税庁の申告所得税標本調査(1億円の壁)のグラフがあるとみられます。しかし、このグラフは約639万人しかいない申告納税者のみのデータで作成しており、納税者全体のデータを全く反映していません。増税の根拠には到底なり得ません。数千万人いる源泉徴収だけで確定申告をしていない会社員ら無申告納税者分を全く反映していません。日本の納税者全体のデータとして増税の根拠とするのは無理です。このグラフをあたかも納税者全体のデータとして誤用または悪用し、金融所得税率引き上げの根拠として政治家に吹き込んだ某省庁の官僚の姿が見え隠れしています。

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実は大衆増税

金融所得税率一律税率
金融所得税率の一律引き上げは富裕層より中間層の負担が大きくなる。見えにくいが、申告なし分の薄い棒グラフは中間層で高くなっている(2021年12月2日付日経朝刊より)

 過去の日経の報道によると、大和総研が納税者全体のケースを試算しています。所得額1億円に税率のピークがくるグラフの形状はほとんど変わりませんが、金融所得増税が格差是正につながらないとも明かしています。富裕層よりも中間層の負担が大きくなります。20%の税率を25%に引き上げた場合、約4,600億円の税収増になります。所得1億円以上の富裕層が負担するのは約1,800億円と1億円以下の層の負担約2,800億円よりも小さくなります。大和総研の是枝俊悟主任研究員は「税率の引き上げは富裕層の課税強化というよりも、大衆増税の側面が強い」としています。

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