こんにちは、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の2023年度の運用状況が公開され、収益率は22.67%(複合ベンチマーク比プラス0.04%)で収益額は過去最高となる45兆4,153億円でした。2001年度の自主運用開始以降の23年間の年平均収益率は4.36%で、累積収益額は153兆7,976億円にも上ります。なお、運用資産は245兆9,815億円です。2023年度の収益率は複合ベンチマークに沿った運用をしていると評価できると思います。自主運用開始以降の年平均収益率も長期的な運用目標を上回っています。運用方針と資産配分を守った上で長期分散投資を続け、着実な成果を出していると思います。報道によると、直近5年間の運用収益は106兆円程度で、2019年時点の想定の6倍程度となっているとしています。
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運用コスト年0.02%!
GPIFによると、実質的な年平均収益率は4.24%で、過去23年間で名目運用利回りから名目賃金上昇率を差し引いた数値です。GPIFが負担している管理運用委託手数料は470億円で運用資産全体に対し年0.02%です。世界最安水準とされる米国の低コスト上場投資信託(ETF)のバンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)の運用管理費(信託報酬)が年0.03%ですので、VTIよりも安いコストで運用しています。長期、分散、低コストを徹底して実現しているGPIFの運用の考え方は長期投資のお手本となり、個人投資家にとっても多くの学びを得られると思います。
個人レベルはオルカンと個人向け国債でOK
GPIFは適切なリスクで長期分散投資をしていく基本的な運用方針に加え、日本の巨大機関投資家として重大な役割も担っているとみられます。そうした事情から株式のうち50%を日本株に割いているとされていますが、日本の巨大機関投資家でも何でもない個人投資家が日本株中心の配分をまねる必要は全くないと考えます。株式は時価総額加重平均型の低コスト全世界株インデックスファンド(端的に言えばeMAXIS Slim 全世界株式<オルカン>)、債券は個人向け国債変動10年(変動10)でいいと思います。シンプルで分かりやすい形で、長期、分散、低コスト投資を実現できます。
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