スポンサーリンク

短絡的な「NISAで円安は悪玉」論

NISA恒久化イメージ 株式投資の心構え
NISAの抜本的拡充・恒久化イメージ(金融庁資料より引用)
スポンサーリンク

 こんにちは、最近、少額投資非課税制度(NISA)で時価総額加重平均型の全世界株式インデックスファンドなど海外株式インデックスファンドに人気が集まり、円安圧力になっているという記事やコラムを見かけます。ひどい記事になると、財務省為替市場課を通貨防衛の前線基地と呼び、人気の投資信託の運用部署を「淡々と円を売り続けている難敵」と表現しているケースさえありました。NISAで「長期、分散、低コスト」に基づき、時価総額加重平均型の全世界株式インデックスファンドを買うのは基本に忠実なリスク資産の運用で、個人の資産形成にとって当たり前の投資行動だと思います。さらに言えば、「円安=悪」「円高=善」と見立てる見方は極めて短絡的と指摘されても仕方ないと思います。為替水準は立場や見方を変えれば変わります。例えば、日本経済の屋台骨を支える自動車産業にとっては、世界で日本の自動車を売っているので、円安は基本的にはプラスです。なお、バブル経済崩壊後の日本株式の長期低迷期で、問題視されていたのは円高でした。

楽天証券広告

SBI証券広告

スポンサーリンク

海外株式制限や日本株式限定は絶対にあってはならない

NISA恒久化イメージ
NISAの抜本的拡充・恒久化イメージ(金融庁資料より引用)

 ごく一部の専門家の意見として、NISAの税優遇を国内資産に限定したり、海外資産に上限を設けたりすることを検討すべきではないかという提言(笑)さえも出てきています。「長期、分散、低コスト」を基本とした国民の資産形成を目指すNISAの主旨を無視して自国株式を含めた特定の国・地域に投資対象を制限しようという意見を主張している時点で、投資初心者ならばまだしも、専門家としては極めて疑わしいと感じてなりませんが…。金融市場が極めて未成熟だったり、公正な取引が困難だったりといった理由を除き、個人投資家の投資対象を国・地域を元にした制限をかけることはあってはならないことです。自国資産を買わせるために海外資産への投資を制限するなんて、金融先進国のすることではありません。「恥を知れ」と言われても仕方ないとさえ思います。なお、現行のNISA導入に向けた政府や国会の議論で、日本株式限定枠を導入せよという意見は「無理、邪道」と退けられています。しごく当然の結論です。報道によると、今年1~5月で投資信託や株式を通じた海外株式投資は5兆円を上回る買い越しになってますが、専門家の中では個人による投資よりもはるかに大きい為替市場への影響度は実際にはどの程度であるか懐疑的な意見も出ています。海外投資家は1~3月で日本株式を2~3兆円買い越しているという指摘もあります。ニッセイ基礎研究所の井出真吾氏は日経電子版の記事に対する投稿で、真相はどうであれ「新NISA悪玉説」を理由に海外投資を規制することはあってはならないと主張しています。井出氏の意見に同意します。

コメント

タイトルとURLをコピーしました