こんにちは、16日付日経朝刊で、「新NISAあなたの選択は」という連載の第1回が掲載され、全世界株価指数(MSCI ACWI=全世界株式)とS&P500指数が比較しながら紹介されていました。全世界株式は「流入額首位、安定に期待」S&P500指数は「実績圧倒、持続は不透明」と見出しが打たれていました。紙面をレイアウトし、見出しを付した日経新聞の整理記者の名誉のためあらかじめ申し上げると、この原稿からは手堅くつけられた見出しで、比較対象の2指数の見出しが左右対称になっているレイアウトはうまいと素人目には思います。しかし、全世界株式に投資家が「安定を期待」するのは、正直言ってあまりにも楽観的かつ都合が良すぎると感じてなりません。全世界株式も、S&P500指数も銘柄などが分散されているとはいえ、株式に投資している以上、リスクは決して小さくないです。年二桁レベルの下落は普通にありますし、運が悪いと1年で数十%の下落に見舞われる可能性はあります。
楽天証券広告
SBI証券広告
長期・分散・低コストの原則で考える
日経電子版の該当リンク(有料会員限定記事です)
詳しい記事の内容は該当日付の日経朝刊か日経電子版(有料会員限定記事)でご覧ください。全世界株式とS&P500指数の基本的な内容や最近の連動投資信託の資金流入の状況、特徴が記されています。全世界株式の方が分散効果が高い点や世界の時価総額の85%をカバーしている点などが紹介されています。1990年からのリターン比較があり、大筋でS&P500指数にリターンに軍配が上がっていますが「そこから切り取ればそりゃあS&P500指数が有利だよな」とも感じました。なお、S&P500指数が今後も圧倒するかは、反対に全世界株式に劣後するかは分かりません。どうなるか分からないこそ、「長期・分散・低コスト」の大原則に立ち戻り、その基本に最も忠実な全世界株式が個人的にはしっくり来ます。さらに言うと、全世界株式はおおむね世界の市場平均である点から、株式内で比較すれば「一番も取れないがビリにもならない」投資手法です。それでも、時価総額加重平均型ですので、その時点での強い国や銘柄の比率が大きくなり、弱い国や銘柄の比率が自動で小さくなります。「なにも足さず、何も引かない」からこそ、どこの国や地域が強まっても、取りこぼすことなく追随できます。
楽天証券広告
コメント