こんにちは、全世界株価指数(日本含む)に連動する低コストインデックスファンドで、26日に運用を開始したTracers MSCIオール・カントリー・インデックス(トレカン)に関し、運用会社の日興アセットマネジメント(日興AM)の有賀潤一郎商品開発部長兼ETFビジネス開発部長がITmedia NEWSのインタビューに答えました。全世界株インデックスファンドとして「とにかくコスト削減を目指す」と低コスト化へ強い意欲を見せました。
ITmedia NEWSの該当記事
当ブログでトレカンを扱ってきた過去記事
コスト開示で工夫の余地
詳しいインタビュー内容はリード文下に掲載したITmedia NEWSの該当記事リンクからご覧ください。筆者が関心を持った点を抜き出すと、低コスト化できた要因として有馬氏は販売会社、運用会社、信託銀行の3社が協力し徹底してコストを削減したと語りました。事実、運用管理費(信託報酬)のうち、販売会社の取り分年0.0175%は特に驚異的な低コストです。現行の販売会社がSBI証券しかないのもうなずけます。今後、販売会社が広がっていくかが課題になるかもしれないと筆者はみます。有馬氏はさらに、トレカンのマザーファンドのうち既に存在していたMSCIコクサイ(日本除く先進国株価指数)とMSCIエマージング(新興国株価指数)は3,600億円と十分な規模があり、今回MSCIジャパン(日本株価指数)を新設したと明かしました。指数利用料が信託報酬に含まれていない点を突っ込まれると、日本の上場投資信託(ETF)では標準的な方式であり、公募投資信託でも複数の会社が採用しているやり方で「特別な方法ではない」としました。信託報酬年0.05775%+その他費用年0.1%が上限になるのは事実とした上で「様々な工夫でどこまで低くできるかだ。指数利用料は規模が拡大すれば、コストが下がる部分もある」と述べました。「具体的なコストの総額は1年後の運用報告書で出す。ただ、そこまで投資家に待ってもらってはもったいないので開示またはやり方を含めた工夫の余地を議論している」とコスト開示で工夫の余地があると話しました。低コスト化による継続を不安視する声に対し、大きな黒字になるには大きな資産規模が必要と認めた上で「(大きな規模の)マザーファンド(前出のMSCIコクサイ、MSCIエマージング)が存在しているので、大きな赤字になりようがない」としました。
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