こんにちは、米アップルは17日、同社のクレジットカード利用者向けに年4.15%の利率で預金サービスの提供を始めたと発表しました。世界各国の新聞社や通信社が報じました。報道によると、設定利回りは全米の貯蓄口座平均利率0.3%の10倍超だといいます。米国在住者が対象で、手数料や最低入金額の規定はありません。口座の運用や管理はゴールドマン・サックスが担います。預け入れ上限額は米国預金保険でカバーされ上限と同じ25万ドルです。この報道を受け、日本から米ドル建て預金(=外貨建て預金)で高金利で預けられるなんていう記事や発信を見受けられます。金融機関の営業担当者や金融機関に紐づいたファイナンシャルプランナー(FP)がアップルの「高金利預金」をとっかかりに、米ドル建て預金を勧める営業をしてくるかもしれません。しかし、米ドル建てだろうと、トルコリラ建てだろうと、外貨建て預金は預金保険制度の保護対象外です。通常の預貯金と違い、金融機関の破綻時に保護されません。さらに、一見魅力的な金利も、諸々の手数料を引かれた後の金利です。しかも、手数料は一切可視化されていません。外貨建て預金は仲介手数料が大きく、営業担当者やFPにとって「おいしい」商品とされています。警戒が必要です。
米ドル建てMMF…ただし、為替リスクに注意!
もし、米ドル建て預金をしたいならば、米ドル建てマネー・マーケット・ファンド(米ドル建てMMF)を選択した方が筆者個人はいいと思います。外貨建てMMFは格付けの高い外貨建ての短期公社債、短期無担保約束手形(コマーシャル・ペーパー、CP)、銀行引受手形などに分散投資しています。投資元本を維持し、高い流動性を保って安定した収益を追求しています。現地通貨建てで元本割れはほとんどありません。毎日決算を行い、分配金は毎月末に再投資されて複利運用されます。楽天証券やSBI証券などの証券会社で扱っています。例えば、楽天証券は新規購入は10通貨単位以上100分の1通貨単位、追加購入は100分の1通貨単位で扱っています。米ドルならば新規ならば1,350円程度あれば投資できます。利回りは変動し、通貨国の政策金利(短期金利)におおむね連動します。米ドル建てMMFは現在、年4%を超える利回りとなっています。流動性は極めて高く、いつでも売買できます。ただ、外貨建て資産ですので当然、為替変動の影響を受けます。購入時より円高になれば、為替差損によって円換算では元本割れになる可能性も十分にあります。もちろん、購入時より円安になれば分配金再投資による複利運用に加え、為替差益の果実も得られます。証券会社で購入した外貨建てMMFは投資者保護基金の対象となります。万が一金融商品取引業者が破綻し、かつ分別管理義務を怠って顧客の資産を返還できなくなった場合でも、1,000万円までは保護の対象となります。ただし、銀行など証券会社以外の金融機関は投資者保護基金の対象外となります。
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