こんにちは、インデックス型投資信託の計画的な取り崩しに焦点を当てた電子本「100年生きても大丈夫!つみたて投資の終わり方」が出ています。ファイナンシャルプランナー(FP)でインデックス型投資信託の積み立て、取り崩しに関するカウンセリングをしているカン・チュンド氏が著者です。おおむね10年以内に退職し資産取り崩し期に入る人を想定に書かれた本ですが、20代や30代の人でもゴールを意識するのは大切だと思います。150ページ足らずの本ですので気軽に読むことができます。
※リスク資産は低コストのインデックス型投資信託、安全資産は預貯金、個人向け国債変動10年(変動10)、証券総合口座(MRF)を指します。
取り崩し戦略
著書では退職を迎えるまでの5年間で①現役時代よりもリスクを落とす②リスク資産のスリム化③ファンド解約の練習-を掲げています。取り崩しの大原則としてリスク資産と無リスク資産の比率を維持しながら、全資産から定率で取り崩していくことを強調しています。急騰した年も急落した年も比率を守っていくことが大切です。リスク資産が増えた年は預貯金を温存して主に投資信託から取り崩し、リスク資産が減った年は投資信託を温存して主に預貯金から取り崩します。昨今の長寿化によって積み立て期に負けないぐらい、取り崩し期が長いと指摘してます。
高配当株戦略は不適切
取り崩し期に高配当株に移行する戦略に関しては問題点が多く、勧められないとしています。「リタイアを迎えたらインカムを備えた金融商品を持たなくてはいけない」というのは単なる思い込みとしています。さらに高配当株の弱点として①投資対象が偏る②インカムの大きさを投資家側がコントロールできない―と列記しています。銘柄や業種を幅広く分散しているインデックス型投資信託ならば、ファンドの取り崩し率は投資家が決められ、投資家側がコントロールできることは大変重要と訴えています。高配当株の本質と本性を正確に書いていると思います。
退職数年前に読み返したい
「100年生きても大丈夫!つみたて投資の終わり方」は具体的なリタイア前の移行期の戦略、リタイア後の取り崩し戦略、お勧めの投資信託が紹介されています。著書内で紹介されている投資信託はどれも低コストかつ幅広く分散されている王道のインデックス型投資信託です。老後の取り崩しの考え方を学ぶ意味でも、なぜ今インデックス型投資信託に投資をつづけているか気づく意味でも、一度お読みになられるのを強く勧めます。筆者のアマゾンキンドルのアプリに本書が入っており、退職数年前などに何度も読み返したいと思っています。
楽天証券は積み立て型少額投資非課税制度(つみたてNISA)対象の低コストの全世界株、全米株、S&P500、先進国株インデックス型投資信託を多数扱っています。時価総額加重平均型の低コストバランスファンド「楽天・インデックス・バランス」ファンドシリーズもあります。
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