こんにちは、岸田文雄首相は22日午後(日本時間23日午前)、米ニューヨーク証券取引所(NYSE)で講演し、少額投資非課税制度(NISA)を恒久化する意向を表明しました。生涯どのタイミングでも非課税で投資できるようにし個人金融資産を投資に振り向け、看板政策「新しい資本主義」で打ち出した資産所得倍増の柱にする考えです。複数の通信社や新聞社が報じました。NISAは投資可能時期(投資開始期限)と非課税保有期間の恒久化まず第一に大切だと筆者も考えています。絶対に実現してほしいと強く願います。
投資可能時期と非課税期間の恒久化が最優先
岸田首相が「NISAの恒久化が必須」と考えている点は評価します。NISA拡充で最優先すべき点は投資開始期限と非課税保有期間の恒久化以外にはあり得ません。金融庁が2023年税制改正で要望しているNISA拡充案にも重点項目として盛り込まれています。現行の一般NISAは2023年まで、つみたてNISAは2042年までが投資開始期限となっています。非課税保有期間も一般NISA5年(ロールオーバーで10年)、つみたてNISA20年です。NISAのモデルとなった英国のISAはいずれも恒久化されています。報道によると、財務省内には「恒久化が投資促進につながる理屈が十分説明されていない」という反論があるとされています。しかし、日本証券業協会の実態調査によると、英国ISAは恒久化した結果、7年間でISA残高が1.7倍に急増したといいます。
金額引き上げも
NISAの年間投資金額も英国ISAに見劣りします。英国ISAは2万ポンド(約320万円)ですが、NISAは、つみたてNISAが40万円、一般NISAが120万円で併用はできません。報道によると、大和総研はNISAの上限額を3倍にすることが必要で、現状では不十分であるとするリポートを発表しています。既に投資をしている人だけでなく、これから始めても十分な水準まで投資額を増やせるようにすることが重要と分析。つみたてNISAの年間上限額を40万円から120万円に引き上げる必要があると試算しています。なお、金融庁はNISA拡充案でつみたてNISAを基本に置く考えを示しています。
金融所得課税強化とバーターはダメ!
岸田首相がNISA恒久化を表明したことは大変素晴らしく、全面的に賛成します。ただ、NISA恒久化のバーターに金融所得課税強化を併せて実施することのないよう、切に願います。財務省が交換条件に出してきても突っぱねるよう、どうか重ね重ねお願いいたします。また、「NISA恒久化は富裕層優遇」「NISA恒久化と金融所得課税強化は絶対にセットで」なんて特定左派野党が間違った認識や「反対のための反対」の論理をもとに大合唱してくる事態も考えられます。NISAは中間所得層以下の味方で、金融所得課税強化は基本的に格差を広げます。国防や経済、株式投資に間違いだらけの認識しか持っていない特定左派野党のたわごとに左右されることのないよう、よろしくお願いいたします。特定左派野党の中には、国際共産党(コミンテルン)日本支部として発足した歴史を持つ破防法に基づく監視対象の危険な革命政党が入っています。弱者の味方の顔をかぶっていますが、「敵の出方論」による暴力革命の選択肢をいまだに隠し持っています。
NISA恒久化に関する首相発言の全文
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(前略)第4に資産所得倍増プランだ。日本には2,000兆円の個人金融資産がある。現状、その1割しか株式投資に回っていない。資産所得を倍増し老後のための長期的な資産形成を可能にするためには、個人向け少額投資非課税制度の恒久化が必須だ。(以下略)
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