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ドル円1ドル135円目前でも…

株式投資の心構え
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 こんにちは、でんです。8日の外国為替市場で円が対ドルで下落し、一時1ドル134円台と2002年2月以来20年4か月ぶりの安値をつけました。新聞社や通信社の報道によると、インフレ対応で米国や欧州の中央銀行が金融引き締めを急ぐとの見方が強まり、相対的に低金利が続く円を売る動きが広がったとされています。135円台も目前に迫っています。どちらに振れるにせよ急激な為替相場の変化は基本的には望ましくないとされています。しかし、必要以上に不安に感じる必要はないと思います。新聞やテレビでは輸入価格上昇に伴う物価上昇や、賃金が物価上昇に必ずしも追いつききれていないなどのデメリットがクローズアップされています。一方、以前よりも小さくなっていると指摘されているとはいえ、メリットもあります。そして、「円安」をキーワードに煽った金融商品の売り込みには注意したいです。

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デメリットとメリット

 確かにドル円レートは5月下旬の126円台から約2週間で6%程度下落しています。かなり急激な変動です。新聞や通信社、テレビの報道を見ると「輸入価格高騰」「物価高」「ガソリン高」「食料品値上げ」「賃金が追い付かない」といったデメリットが指摘されています。しかし、円安はデメリットばかりではありません。企業の海外進出に伴い以前ほどのプラス効果がないとみられていますが、輸出企業にとっては円安はまだまだ利益を押し上げる要因です。例えば日本経済の大黒柱で、関連企業や従業員が莫大な数となっている自動車産業にとって円安はプラスに働きます。

「円安」の煽り文句に注意

 円安は全世界株や全米株、S&P500、先進国株のインデックス型投資信託といった国際分散投資の運用成績も押し上げます。S&P500指数はドル建てでは年初来マイナス10%超ですが、円建てに換算すれば円安の効果でほぼプラスマイナスゼロ付近です。しかし、「円安の今こそ国際分散投資」「円安だからこそ外貨建て預金」「円安だからこそ外貨建て保険」といったセールス文句には注意が必要です。

インデックス投資は相場と関係なく「今」

オルカン表紙

 全世界株などのインデックス型投資信託の始め時は円安だろが、円高だろうが、株高だろが、株安だろが関係なく「今」です。ちなみに、株価や為替のタイミングを読める超天才ならば、円高株安の時に始めるのがベストです。しかし、ほとんどの人はタイミングを読めないので相場に無関係で可能な限り早くとしか言いようがありません。インデックス投資を続ける上ではリスク耐性に応じて株式と債券(個人向け国債変動10、インターネット預金)などの比率を決めて淡々と方針を守ることが大切です。

外貨建て預金はあまり…

 外貨建て預金はあまりお勧めできません。確かに日本円よりも高い金利が魅力に見えます。しかし、実態は高い金利はごく短期間だったり、取扱金融機関に見えない形で手数料が中抜きされたりしています。通常の円の預貯金ならば仮に金融機関が破綻しても元本1,000万円とその利息までが預金保険制度で保護されますが、外貨建て預金は保護対象外です。ちなみに、どうしても始めるならば「円安」時よりも「円高」時です。

「ボッタクリ投信」…

落とし穴

 外貨建て保険は残念ながら中身の多くがボッタクリ外国投資信託です。大まかに言えば、高い手数料が不透明な形で中抜きされています。紹介者にとっては多くのマージンが取れる金融商品ですので、保険会社の営業担当者や保険系FPがやたらと勧めてくる傾向にあります。10年前、20年前には数少ない「お宝保険」もあったと聞いていますが、今は皆無だと思った方が間違いないです。事実、消費生活センターにトラブル相談が相次いでいます。そして保険と貯蓄、投資を一緒にするのは極めて危険です。分けるのが基本です。個人の事情が一人一人違うので一概には言えませんが、「確率は低いが、起きたら被害が甚大」に備えるために保険に入るのが鉄則です。可能な限り保険金額は安く、そして掛け捨てが大原則です。

外貨建て預金の代替案

 外貨建て保険は論外としても、外貨建て預金をしたいならば実は代替案があります。証券会社で扱っているドル建てMMF(マネー・マーケット・ファンド)です。公社債投資信託の一種で、格付けの高い国債などの短期債券を中心に運用されてます。毎日諸経費を控除した利子から分配が行われ、分配金は月末にまとめて元本に再投資されます。少額での買い付けが可能です。日本の証券総合口座(MRF)に近い形態で運用しており、米ドル建てでの元本割れの可能性は極めて低いです(もちろん為替レートで元本割れの可能性は十分にあります)。証券会社が破綻時しても、分別管理の対象のため資産が保全されます。それでも万が一、分別管理義務に違反をして資産が保全されない事態になったとしても投資者保護基金の対象になり、証券会社内の他の資産と合わせて1,000万円までは補償されます。現状は利率が低いですが、米国の金利上昇に伴い、利率の上昇が見込めます。外貨建て預金よりは外貨建てMMFの方が外貨の置き場所に適していると思います。

 このブログに来ていただき、最後まで読んで下さり、ありがとうございました。物価上昇に賃金が必ずしも追いつききれていない点は大きな課題だと感じてなりません。

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