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対決!米国株VS全世界株

対決 株式投資の心構え
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 個人投資家から圧倒的な人気を集めている米国株と国際分散で王道の全世界株がインデックス投資の「2大派閥」となっています。いずれも長期的に右肩上がりで成長している投資先には変わりません。米国のNFLスーパーボウルや大リーグワールドシリーズ、欧州のサッカーチャンピオンズリーグ決勝といった頂上決戦です。ゲームでいうとRPGのドラゴンクエスト5で主人公がビアンカとフローラ(デボラ)のどちらを選ぶかといった話です。果たしてどちらの投資先がより優れているのでしょうか。

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米国株

  • 長所
  • 短所

 米国は株式投資に関する法整備がしっかりしており、株主が強く守られています。株主優先の文化が根付いおり、減配は経営陣に失格の烙印が押されます。米国を代表する500社余りの銘柄で構成されるS&P500指数のうち、25年以上連続で配当金が増加している「配当貴族」銘柄は60社以上あります。(日本は花王1社だけです)。連続増配が50年以上の企業もあり、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は64年連続、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)は58年連続です。これらの企業は1980年代のブラックマンデー、2000年のITバブル崩壊、2008年のリーマンショック、今年の新型コロナショックなども乗り越えて増配してました。上記のP&GやJNJに加え、コカ・コーラ、アップル、グーグルなど国際的に事業を展開している会社が多く、米国企業の利益の半分が米国外からもたらされています。今後経済成長が期待できる新興国から利益を上げると見込まれています。米国は先進国で珍しい人口増加国です。開拓者精神が根付いており、起業や新技術が生まれやすい風土です。加えてチャールズ・エリス氏の「敗者のゲーム」、バートン・マルキール氏の「ウォール街のランダム・ウォーカー」、ジョン・ボーグル氏の「インデックス投資は勝者のゲーム」など株式投資の名著の多くは米国で生まれています。S&P500指数は年平均7%上昇しています。

S&P500.1201
S&P500指数の過去150年チャート。世界恐慌、リーマンショックなどを乗り越え、右肩上がりで成長している

S&P500指数の過去150年チャート。右肩上がりで成長している tradingview日本語版より https://jp.tradingview.com/

 米国株はリーマンショック後に世界トップクラスに株価が上昇し、S&P500指数は過去10年で年平均10%を超えるリターンをたたき出しています。GAFAM(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフト)を中心とする大型ハイテク株がけん引する形でした。平均株価収益率(PER=株価/1株当たりの純利益)は20%超、平均株価純資産倍率(PBR=株価/1株当たりの純資産)は4倍近くになっており、割高さを指摘するアナリストや個人投資家がいます。今後10年はPERやPBRが割安な日本株や新興国株が伸び、米国株が伸び悩むのではないかという予測も出ています。

 

全世界株

  • 長所
  • 短所

  全世界株はここ10年の米国株1強の時代も、2000年代の新興国株が好調な時期も、(30年以上前の話ですが)1980年代の日本株バブルの時も、上昇を取りこぼさずに一定のリターンが出るのが強みです。バブル崩壊後の日本のように一国や地域が落ち込んでも、ほかの好調な国でカバーできます。世界の人口は2100年まで上昇すると国連が試算しています。少なくとも私や当ブログの読者が生きている間は、世界全体で経済規模や富の拡大は見込めそうといえます。

 実は現在、世界の時価総額の半分は米国株です。全世界株と言いながら米国株(S&P500指数)の上下の影響を大きく受けます。長所と裏表の話となりますが、どうしてもリターンの悪い国や地域が組み込まれます。新興国の中には株式市場の法整備が未熟な国もあり、経済成長と株価の上昇が比例しない面もあります。米国株と比べて過去のリターンの記録がたどりにくい点も挙げます。

eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)
eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)の国別比率

eMAXIS Slim 全世界株式(Slimオールカントリー)の国別投資先。米国が55%を超えている。三菱UFJ国際投信より https://emaxis.jp/

はっきり言えば…

  • 引き分け!はっきり言えば好み
  • 当ブログの考え
  • 注意点

 冒頭に申し上げた通り、米国株や全世界株のインデックスファンドは十分に分散された優秀な投資先といえます。どちらを取るか(あるいは両方組み合わせるか)は個人の好みです。法整備や株主優先の文化、過去が検証しやすいという点なら米国株でしょう。世界中に国の株式を買う王道の投資をするならば全世界株といえます。ボーグル氏は基本的に米国株のみで問題はなく、いかなる場合でも米国以外の株式の割合は20%以下にすべきとしています。一方でマルキール氏やエリス氏は全世界株式への投資を勧めています。筆者が判定するならば引き分けです。米国株も全世界株も素晴らしい投資先です。個人的には言い過ぎかもしれませんが、プロ野球の巨人ファンと阪神ファンの違いよりも差がないと思っています。

 好みで片づけてしまっては、元も子もないので、当ブログの見解を述べます。筆者は米国株も全世界株の両方のインデックスファンドに投資しています。理由は両方甲乙つけがたい投資先という点と、米国株の比率を85%程度にしたい点からです。確かに今後10年の米国株は新興国株や日本株、全世界株にリターンが劣る可能性は十分にあると思います。しかし、20年以上の長期ならば米国株が全世界株のリターンを上回るとみており、今後も長期的に基本的な枠組みは変わらないと思います。※少し難しい話になりますが、近年米国株と米国株以外は連動して動く傾向が強くなっています。理由は米国企業の売り上げの半分が米国外である点やインターネットで瞬時に世界へ情報が行き渡る点などから相関関係が強くなっているためとされています。この点も考慮に入れています。

 初心者の中に「半分は米国株、残りは全世界株に投資すれば国際分散になる」と思っている人がいるかもしれません。しかし、上記の投資法は米国株の比率が80%を超えます。はっきり言って米国株中心の投資です。筆者のように意図した比率なら問題ないですが、国や地域別に広く分散したいのならば全世界株式を買うのが有効です。どちらにすれば分からない、結論が出ないというのであれば分散投資の基本かつ王道の全世界株のインデックスファンドを勧めます。投資の名著を読み、自分の投資スタイルにあったインデックス投資を確立していきたいです。

敗者のゲーム [ チャールズ・エリス ]

ウォール街のランダム・ウォーカー<原著第12版> 株式投資の不滅の真理 [ バートン・マルキール ]
インデックス投資は勝者のゲーム 株式市場から利益を得る常識的方法 (ウィザードブックシリーズ) [ ジョン・C・ボーグル ]

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