こんにちは、12日から30日まで募集される2025年6月15日発行の個人向け国債変動10年(変動10)の金利が年0.84%(税引後年0.6693540%)に設定され、前回発行比で年0.09ポイント下落しました。算定基準となる10年国債金利(長期金利)が1.28%(前月比マイナス0.13%ポイント)でした。日銀の政策金利追加利上げの観測が続き長期金利は上昇していましたが、トランプ関税を巡り急低下(通常の債券価格急上昇)しました。日銀は直近の1日の金融政策決定会合で政策金利を据え置き、2025年度の実質国内総生産(GDP)成長率を0.5%に下方修正しています。それでも、日本の金利は主要先進国に比べまだまだ低い水準にあり、今後の金利下落(通常の債券価格上昇)よりも、金利上昇(通常の債券価格下落)の余地の方が大きい状況が続いているとみられます。しかも、金利が下がり続けたとしても、最低金利年0.05%は補償されています。リスク資産の王道である「長期分散低コスト」に基づく全世界株式インデックスファンドの分散投資先の無リスク資産として、最も有力な投資候補と考えられます。なお、5年固定型は年0.83%、3年固定型は年0.66%といずれも利回りが低下しました。
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円高株安にびくともせず

変動10の金利はメガバンクの期間10年の定期預金金利年0.50%程度と比べ、1.68倍強高いです。日銀の利上げで3月から引き上げられた普通預金金利0.20%程度と比べると4.2倍です。楽天証券と連携(マネーブリッジ)させた際の楽天銀行普通預金の金利年0.28%(預金額300万円以下まで)の3倍です。期待リターンに占める為替リスクの割合が極めて大きい外国債券と違い、個人向け国債は為替リスクがありません。例えば、2024年7月から8月初頭に起きた急激な円高株安にも、4月上旬の円高株安とその後の乱高下にも、無傷、無風でびくともしませんでした。全世界株式インデックスファンドの分散投資先として、極めて有力であると考えられます。こまめに長期金利をウオッチし、ネットをこまめに隅々まで探して、手間暇かけてやっとの思いで見つかるかもしれないプレミアム定期預金金利の大半よりも上回っています。最近は外貨預金と同時に同額の円預金を持つと、そこそこの金利が付与される金融機関もあるそうです。外貨預金の諸々の割に合わなさを考えると検討する気さえ起きません。そもそも、万が一同じことをしたいならば、外貨建てMMFと円預貯金を同時に同額持つ方がいいとしか思えません。なお、預貯金の安全度は残念ながら個人向け国債よりも相対的に劣後します。
預貯金より安全

個人向け国債は財務省が毎月発行しています。満期は10年(あるいは5年、3年)ですが、発行後1年を経過すればいつでも中途換金ができます。中途換金時に直近2回分の各利子相当額×0.79685が差し引かれます。通常の債券と異なり、たとえ中途換金をしたとしても財務省(日本政府)が債務不履行(デフォルト)しない限り元本割れはしません。一般に極めて安全性は高いとされているメガバンクやゆうちょ銀行、インターネット銀行、信用金庫、信用組合、農林中央金庫、地銀、JAバンクなどあらゆる金融機関の預貯金よりもさらに安全です。しかも、日本政府が破綻する確率は極めて低いとされています。国内の無リスク資産で最も安全性は高いと考えていいと思います。ただ、預貯金のように常に引き出せるわけではなく、購入後1年は中途換金ができません。
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