こんにちは、11月15日付日経夕刊コラム「十字路」で、「新NISAは『棚ぼた』にあらず」と題した署名記事が掲載されました。記事をかいつまむと、新少額投資非課税制度(新NISA)は個人の金融資産構築を税制面から支援するもので、日本株を押し上げるための制度ではないと主張しています。「国内企業への資金供給は家計の資産形成を犠牲にするのではなく、国内企業が魅力を高めることで実現されるべきだ」とする金融庁政策立案総括審査官の言葉を紹介しています。さらに、「発行企業、運用会社、金融機関、株式の専門家、既存株主などが、新NISAは『棚ぼた』だとして自助努力を怠れば、訪れる結末は日本株式市場の沈滞だろう」と警告しています。極めて正論かつ真っ当な意見で、全面的に同意します。新NISAにせよ、現行NISAにせよ、個人型確定拠出年金(iDeCo)にせよ、個人・家計の資産形成を税制面で後押しする制度に他なりません。日本株式にせよ、何にせよ、特定の資産クラスを押し上げる目的の制度では決してありません。家計の資産形成を犠牲にするなんていうのは言語道断です。
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無責任かつ論理破綻している「日本株限定NISA」
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詳しい記事の内容は該当記事を日経電子版やコラムでご覧ください。記事を執筆したのは世界経済や市場を分析しているブーケ・ド・フルーレット代表の馬渕治好氏です。内容も至極まっとうで、意見が明快かつスッキリしています。読んでていて心地よくなります。記事を読んでいて、新NISA導入に向けた議論をしている時に、一部の政治家や金融系インフルエンサーが「日本株限定NISAを導入せよ」「新NISAには日本株限定枠を設けよ」なんて意見を言っていたのを思い出しました。さすがに「非課税にして日本株だけを買わせるのは無理、邪道」という至極当然の結論に達しました。今後、「日本株投資に限定した税制優遇制度を導入せよ」「日本のスタートアップ企業投資限定の税制優遇を」なんていう意見が再燃するかもしれません。日本株投資やスタートアップ育成は個人・家計の資産形成とは切り離して考えるべき話です。そもそも、リスク資産への投資の基本は「長期、分散、低コスト」です。言い換えると、時価総額加重平均(市場平均)通りに世界中の株式をできるだけ低コストで投資をすることです。「日本株限定NISA」は無責任に個人・家計に責任をなすりつけているとしか思えず、論理破綻していると言わざるを得ません。
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