金融庁は少額投資非課税制度(NISA)の新たな非課税枠を現段階で検討しておらず、金融機関などから過剰な期待が見受けられる毎月分配型投資信託を高齢者限定で投資対象として解禁する実質的な議論もまだで解禁されない可能性があると24日付日経16面「一目均衡」で報じられました。執筆者は「日経の良心」として知られる編集委員田村正之氏で、複数の金融庁幹部に取材を重ねた上での田村氏の感触が伝えられています。さらに、高い手数料で売り手の収益獲得の手段に使われ続けてきた歴史を指摘し、金融庁も無条件で解禁する考えは元々ないと明かしています。顧客の利益を第一にして資産形成を後押しするNISAの主旨から言えば、高コストかつ元本払戻金が横行している毎月分配型投資信託は不適格極まりないです。投資対象として認めるべきではないと強く主張します。
定期取り崩しサービスを広げて

詳しい記事の内容は該当日付の朝刊か上のリンクからご覧ください(有料会員限定記事)。田村氏は楽天証券やSBI証券で導入されている様々な投資信託を無料で定期的に取り崩しできるシステムが多くの金融機関に広がるのが望ましいと訴えています。高コストで元本払戻金が横行している毎月分配型投資信託の出る幕がなくなります。資産形成期も取り崩し期も「長期分散低コスト」を満たす時価総額加重平均型全世界株式インデックスファンドだけで運用し、取り崩し期になれば毎月定率または毎月定額などで払い戻せば済む話です。低コストで国内配当課税を繰り延べる形で効率的な複利運用を実現して効率よく運用しつつ、任意かつ自動で取り崩してくれます。定期取り崩しサービスが多くの金融機関に広がるのを望みますが、正直言えば楽天証券かSBI証券でNISAを開設したり、投資信託を運用したりすれば済む話とも思います。なお、個人的には必要なときに必要分を取り崩すのが好きです。また、田村氏はNISAでの資産入れ替え(スイッチング)の要望が増えそうだと見立てています。NISA加入条件を未成年に広げる案に関しては金融庁は前向きだといいます。ただ、格差拡大の批判を避けるため、年120万円が上限のつみたて投資枠だけで検討する可能性が高いと明かしています。未成年のNISA加入拡大は大筋で賛成です。
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