こんにちは、投資の基本は広く分散された株式と債券に分散投資をすることとされてます。経済評論家の山崎元氏は「個人の債券投資覚え書き」と題した記事を楽天証券コラムサイト「トウシル」に掲載しました。「率直に言って個人が安心して投資できるのは国債だけ」とし、個人の資産配分ではリスクを薄める必要性が乏しく個人の資産運用には債券投資は必要ないとしています。私自身、外国の国債を含めた外国債券や社債への投資は個人投資家レベルで原則不要と考えているのでおおむね同意です。リスク許容度に合わせ、リスクを取りたい分は時価総額加重平均型の全世界株インデックスファンドに投資し、残りは個人向け国債変動10年(変動10)または預貯金で十分という立場です。
トウシルの該当記事
取れるリスク分だけ株式に投資
山崎氏は個人投資家が国債以外の債券への投資が難しい理由に、流動性が乏しく事実上プロ投資家と証券会社の相対取引になっている点を指摘しています。個人投資家の立場では適正価格を判断するのが極めて難しともしています。さらに、個人向け社債は市場で不人気だから販売されていると明かしています。仮に社債が十分に魅力的な条件で発行されていたならば、プロの投資家に瞬く間に購入されて完売し「瞬間蒸発」してしまうと述べています。一見利回りがいい外国債券は原則、業者間の店頭市場で取引されており、本当の市場価格がいくらなのか個人投資家には見えにくいと指摘しています。債券価格で実質的に大きな手数料を抜かれる可能性が小さくないとしています。金融庁も問題視しているハイリスク・ローリターンかつステルス手数料が過大な仕組み債について、「個人向けの仕組み債販売を金融庁が全面的に禁止すべき」と訴えています。そもそも、年金基金のような資金の資産配分と個人の資産配分は大きく性質が違っていると強調しています。運用元本を安定的に運用することが迫られている機関投資家と違い、個人投資家は取りたいだけのリスクを株式に投資をすればいい上に運用元本自体が可変だとしています。
個人向け国債変動10は有力な手段
山崎氏は一方、個人投資家向けに販売されている個人向け国債変動10は「やや特殊な商品」と述べています。変動金利型なので将来の金利上昇リスクに強く、1年以上保有すると元本で償還できる条件が付いているので日本政府が破綻しない限りは元本割れしません。日本政府の破綻する確率は極めて低く、市中のあらゆる金融機関よりも安全度は相対的に極めて高いとされています。山崎氏は「どうしても減らしたくないお金」を運用する場合に有力な手段であり、覚えておきたいとしています。なお、山崎氏は日本のインデックス投資の先駆者で投信ブロガーの水瀬ケンイチ氏との共著「ほったらかし投資術第3版」で、低コストかつ時価総額加重平均型の全世界株インデックスファンドと個人向け国債変動10に分散投資をするのが「おおむね最適解」とする見解を示しています。
コメント