こんにちは、投資信託運用会社セゾン投信の創業者で会長を退任見通しとなっている中野晴啓氏は日経編集委員の田村正之氏の取材に対し、セゾン投信の事業買い取りや新会社設立を検討していると明かしました。「(引用者注:中野氏が訴え続けた)長期分散積立投資に共感して投資してくれた顧客の信頼を守るため」と理由を述べています。日経電子版が13日、報じました。田村氏のインタビューで短い言葉ながらも中野氏の無念さが表れていたと思います。一方、闘志は萎えていないことがうかがえました。親会社でセゾン投信の株式を60%保有するクレディセゾンにせよ、40%保有する日本郵便にせよ、クレディセゾンと資本業務提携しているスルガ銀行にせよ、そして(100%顧客を第一に考えた上での行動だと思いますが)中野氏にせよ、セゾン投信で長期分散積立投資を続けてきた顧客を第一に行動、判断することを切に願うばかりです。
「できるだけのことはやる」
日経電子版の該当記事(該当記事は有料会員限定記事です)
日本郵便が2014年にセゾン投信の株式を40%取得した際の金額は8億円です。つまり、2014年当時でセゾン投資の企業価値は20億円程度と算定されていたということです。現在のセゾン投信の企業価値は分かりませんが、いずれにしても相当の金額です。日経電子版によると、田村氏のインタビューに対し中野氏は資金のめどはあるとした上で「事業買い取りであればプレミアムをつけた形で、事業価値が毀損(きそん)される前の価格で買い取る」と述べました。仮に事業買い取りがうまくいかなければ、新会社設立も考えるとしました。田村氏を含め多くのメディアや識者が指摘していた通り、今回の中野氏の退任はセゾン投信が独立した会社ではなく親会社を持っていたことが大きな要因の一つだと思います。事実、インタビュー内で中野氏は退任の理由は販売戦略の違いとしています。中野氏は直販中心に進めてきましたが、クレディセゾン側は様々な金融機関と組んで販路を拡大していく考えだったと述べてます。さらに、来年から始まる新少額投資非課税制度(新NISA)を見据え、直販に加えて手数料目当ての販売はしないと確信できる一部のインターネット証券でセゾン投信の商品を販売する準備を進めていたと明かしました。しかし、この販売戦略も認められなかったと語っています。
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