こんにちは、三菱UFJ国際投信(三菱AM)は低コストインデックスファンドシリーズのeMAXIS Slim(Slim)シリーズ、eMAXIS(Fat)※シリーズの誤認購入に注意を呼び掛ける注意喚起リリースを出しました。Slimシリーズは「業界最低水準の運用コストを将来にわたって目指し続ける」をコンセプトに、積み立て型少額投資非課税制度(つみたてNISA)が始まる前年の2017に設定されました。低コストインデックスファンドシリーズで最も支持を集めています。一方Fatシリーズは2009年から運用されていますが、現在では運用管理費(信託報酬)が相対的に安いとは言えなくなっています。インターネット証券ではSlimもFatも両方扱いがある場合が多く、誤認購入の危険は確かに小さくないです。言いたいことはありますがひとまず置いておいて、三菱AMが呼び掛けるように目論見書や証券会社の信託報酬の表示、名称をよく確認して購入した方がいいと思います。
※eMAXIS FatやFatの呼び方は三菱AMが付けた愛称ではなく、交流サイト(SNS)などで呼ばれているスラングです。分かりやすいので今回の記事で呼称を採用しました。
Slimシリーズに統合を
三菱AMはSlimシリーズとFatシリーズの信託報酬が違う理由として、Slimシリーズが販売をオンラインに限定し目論見書などの交付を電子交付に限っているのに対し、Fatシリーズはオンラインだけでなく対面購入が可能で目論見書の交付も店頭手渡しや郵送がありえるからだとしています。例えば、Slim先進国株式の信託報酬は年0.09889%ですが、Fat先進国株式の信託報酬は年0.66%です。同じ指数に連動しており、同じ運用会社でマザーファンドも同じです。違いは信託報酬つまりコストだけです。つまり、Fatを保有している人は実質同じ金融商品に投資しているのに余計なコストを払っていることになります。対面で営業担当者の説明を受け、目論見書を印刷物で受けているならばその分のコストが含まれているとまだ言えますが、インターネット証券であえてFatシリーズを購入する意味はありません。そもそも、Fatシリーズの商品を同じ指数に連動し同じマザーファンドのSlimシリーズの商品に統合してほしいと思います。販路の違いや信託銀行の問題などからなかなか実現は困難だといいますが、「一物多価」は解消してほしいと思います。筆者は直接的な被害はないですが、古くからインデックス投資を実践している人から、信託報酬が割高な投資信託を持っているものの含み益と税負担が大きくなり乗り換え目的ではなかなか売れないという話も見聞きします。
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