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貸株サービスで負うリスク

株式投資の心構え
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 こんにちは、でんです。インターネット証券会社には、保有している個別株や上場投資信託(ETF)を証券会社に貸し出すことで、証券会社から金利を得られる「貸株サービス」があります。金利は年0.1%が多いですが、中には年1%から年数%程度に設定される銘柄もあります。一般的に貸株は流動性の向上など効率的な市場機能の発揮に重要な役割を果たしている面もあると言えます。見方によっては貸株金利はそうした対価とも考えられなくもないかもしれません。しかし、貸株は間違いなく貸出先の証券会社の信用リスクを負っており、貸株金利は証券会社の信用リスクに対するプレミアムです。証券会社の信用リスクを端的に言えば、経営破綻のリスクです。

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分別管理、投資者保護基金対象外

 インターネット証券が実施している貸株サービスのほとんどは無担保貸株です。通常の保護預かりとなっている個別株やETFは証券会社自身の資産と区別して分別管理されています。万が一、証券会社が破綻した場合でも証券会社が分別管理義務を守っている限りは確実に資産が保全され、返還されます。一方、無担保貸株で証券会社に貸し出された個別株やETFは分別管理の義務がありません。証券会社が破綻した場合には、資産が戻ってこない可能性があります。さらに、分別管理義務がないどころか、投資者保護基金による保護対象外にもなります。投資者保護基金対象資産ならば、万が一証券会社が分別管理義務を怠り、証券会社破綻により資産に被害が出る事態になっても、投資者保護基金が顧客1人に対し1,000万円までを保証するようになっています。無担保貸株は毎日金利を得られる代わりに、分別管理と投資者保護基金による二重のセーフティーネットを放棄しており、もろに証券会社の信用リスクを背負うことになります。言い換えれば個別株やETFに投資した際に無料かつ自動でついてくる証券会社破綻時の「資産全額保全保険」や「投資者保護基金保険」を、無担保貸株で金利を得る代わりに放棄しているということです。

大手ネット証券会社の破綻可能性は低いが…

 無担保貸株金利の対価として負う証券会社の信用リスクと、失ってしまう二重のセーフティーネット(無料の資産全額保全保険、投資者保護基金保険)を記してきました。とはいえ、世間で知られている大手インターネット証券会社の信用リスクは個人向け国債ほど低い(ほぼゼロ)とまでは言えないものの、基本的には極めて低いです。普段は神経質になる必要はないとも思います。貸株をして貸株金利を得ることはダメなことでも悪いことでもありません。ただ、証券会社の信用リスクを引き受け、二重のセーフティーネットがなくなるという事実は知った上で貸株をされた方がいいと思います。なお、NISA口座は常に保護預かりとなるため、貸株はできません。非上場投資信託も保護預かりだけとなります。このブログに来ていただき、最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

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