こんにちは、でんです。13日の外国為替市場のドル円相場で円が下落し、一時1ドル126円台と2002年5月以来約20年ぶりの円安・ドル高水準となりました。新聞や通信社、テレビ局の報道では円安が一層進行するのではないかと不安を煽りまくっているように感じます。ちなみに、2002年の円安が最も進行した水準は135円台です。今後、大方の見立て通りに円安が進行するか、円安が止まるか、円高に転じるかは分かりません。1990年以降、ドル円レートは70円台終盤から150円台中盤の範囲(レンジ)にあります。まだまだレンジの中で、極端な円安水準というわけではありません。当然ですが、短期売買を除くインデックス投資方針に影響を及ぼす話ではありません。
コインの裏表
報道によると、今回の円安進行は日米金利差が意識されたとされています。米長期金利が2.6~2.8%台で推移する中、日本の長期金利は0.2%前後に抑えられています。円安による輸入額がかさみ、輸入に頼っているエネルギーや小麦などの価格は高騰しています。確かに燃料や食糧価格の上昇は家計を圧迫します。日本への対外的な購買力も低下しており、ステルス減給(減収)と言えなくないかもしれません。しかし、円安や円高のメリット、デメリットはコインの裏表です。今、ほとんど報道されていませんが、円安によるメリットもあります。工場の海外移転で以前よりは効果は低くなったとされていますが、日本の基幹産業である自動車など輸出企業の利益を押し上げます。全世界や米国、先進国の株式や債券の評価益も上昇します(ただし、購入の観点では円安による割高とも考えられますが)。これらの資産へのアクセスはかつては限られていましたが、今では証券口座を開設すれば誰でも気軽に投資できます。積み立て型少額投資非課税制度(つみたてNISA)や個人型確定拠出年金(iDeCo)といった税制優遇制度もあります。投資信託ならば100円から購入できます。日本株も大企業は輸出企業が中心で、総じて考えれば円安によるメリットはそれなりにあると言えるでしょう。もちろん、円高になれば今まで書いてきた話が基本的には全て反対になります。リーマン・ショック後やバブル経済崩壊後の円高進行時には今と同様にデメリットばかりが報道されました。輸出企業の収益悪化や国内外での株安ばかりが強調して報道され、円の対外的な購買力向上や燃料・食糧価格の下落はほとんど触れられませんでした。
このブログに来ていただき、最後まで読んで下さり、ありがとうございました。個人的に為替はレンジから大きく外れるなど極端に行きすぎなければ、気になりません。ただ、勤務先的に円安はおおむね痛手です。
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