こんにちは、でんです。資本主義を敵視し、西側陣営と激しく対立してきた社会主義陣営の中枢国の独裁者が急死したら株価はどういう反応をすると思いますか。実は1953年に旧ソ連の独裁者ヨシフ・スターリンが急死した日の日経平均は前日比マイナス10%と急落しました。今回はちょっとした小話です。気軽に読んで下さい。
スターリン暴落
1953年3月4日にスターリン重体が報道され、翌5日に死去しました。スターリンは旧ソ連の独裁者で、権力を掌握後の1930年代に敵対勢力とみなされた多くの政治家、軍人、市民を粛清しました。ロシアの統計資料によると、1937年から1938年に少なくとも130万人超が反革命罪で有罪とされ、68万人超が死刑判決、63万人超が強制収容所や刑務所送致となったとされています。反革命罪以外の罪名で裁かれた人も考慮した粛清者数は、はっきりした記録として確認できません。冤罪者も数多くおり、スターリンの死後に名誉回復がされました。スターリン死去の報道を受けた5日当日の日経平均株価は前日比マイナス10%と当時の1日最大の下落幅を記録しました。1987年のブラックマンデーまで34年間更新されませんでした。現在でも戦後5番目の下落率となっています。米国や欧州の西側主要国市場でも急落しましたが、日本市場の影響が特に大きかったです。スターリンの死をきっかけに朝鮮戦争の終結が早まり、戦後復興を支えた朝鮮特需が終わることが予想されたためとされます。さらに、旧ソ連の当面の政治情勢における不透明感も嫌気され、軍需産業株や主力株を中心に売りが殺到しました。
株式市場は単純ではない
一見すると西側陣営にとって脅威だった旧ソ連の独裁者スターリンがいなくなったことは、株式市場にプラスになるようにも感じなくもないです。しかし、実際は朝鮮特需の早期終結見通しや旧ソ連の政治情勢への不透明感が重視され、下落しました。スターリン暴落から言えることは、株式市場は単純ではないということです。市場のタイミングや反応を読むのがいかに困難かが分かります。ちなみに、スターリン暴落の翌日の日経平均は急反発し戦後8番目となる前日比6.31%の上昇率を記録しました。その後、乱高下する相場が続きました。筆者は政治情勢や事件などに関係なく、全世界株価指数や全米株価指数、S&P500指数などに連動する低コストのインデックスファンドに長期投資をしていきたいです。
このブログに来ていただき、最後まで読んでいただき、ありがとうございます。残念なことに実態がスターリン主義とされる破防法対象の政党が日本に現存しています。
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