こんにちは、でんです。バランスファンドは株式や債券などをまとめて保有できる商品です。手間がかからず様々な資産に分散投資でき、ファンドが設定している資産バランスに自動でリバランスがされるのが利点です。大前提として経費率が安く、資産バランスが固定型の商品を選ぶことです。相場や年齢に応じて資産バランスを変化させるタイプの商品は経費率が割高なので注意が必要です。特に相場に合わせてバランスを変化させるタイプは高コストで市場平均に劣後する商品がほとんどで、購入する価値はないと思います。今回はいずれも積み立て型少額投資非課税制度(つみたてNISA)対象で、低コストで購入できるeMAXIS Slim バランス(Slim8資産)と楽天・インデックス・バランス・ファンド(楽天バランス)を比較します。
REITや新興国、日本株に偏る
Slim8資産は信託報酬年0.154%で、純資産総額は1,146億円を誇ります。確かに経費率や純資産総額規模の観点からはバランスファンドで一番と言えます。国内、先進国、新興国の各株式、国内、先進国、新興国の各債券、国内、先進国の各不動産投資信託(REIT)に均等に投資しています。一見バランスが取れているように見えますが、実は時価総額に対して小さい資産に偏って投資しています。REIT市場は株式、債券市場よりも極めて小さいのに関わらず、全体の25%をも割いています。株式時価総額の80%強を占める先進国株を株式内で33.3%しか保有しないのに対し、株式時価総額の計20%弱に過ぎない日本株と新興国株を株式内で計66.7%保有するのは著しくバランスを欠いています。債券内でも新興国債券に33.3%は比率が高過ぎます。8資産均等ではなく、実態は新興国資産、REIT、日本株傾斜配分型と言っても過言ではありません。バランスファンドの中ではいい商品ですが、これ一本で完結とするのは少し苦しいです。先進国株や米国株、先進国債券、国内債券のインデックスファンドの買い増しは必要だと思います。
世界の時価総額通り
楽天バランスは株式と債券の比率に応じて3種類あり、合計の純資産総額は218億円です。信託報酬は年0.218%~年0.226%です。株式は全世界株価指数、債券は全世界投資適格(高格付け)債券指数に連動しており、時価総額加重平均型です。米国バンガード社の上場投資信託(ETF)と投資信託に投資する形を取っています。株式はバンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)で、債券は投資信託のバンガード・グローバル・ボンド・インデックス・ファンドに投資しています。債券にのみ為替リスクを低減する為替ヘッジがかけてあります。株式も債券も国際分散投資の教科書ともいえる配分になっています。3種類の株式、債券の比率から選んでファンドを購入すれば、自動リバランスで株式と債券の比率を保ってくれます。株式と債券にファンド1本で分散投資をしたいならば、楽天バランスは現状で最も有力な選択肢だと思います。
文句なく楽天バランス
純資産総額や知名度、各ランキングではSlim8資産に軍配が上がっています。信託報酬もわずかながらSlim8資産の方が有利です。しかし、楽天バランスはSlim8資産ほどではないにせよ、信託報酬は十分に安いです。純資産総額はもう少しほしいところですが、シリーズを合算すれば合格点ともいえます。ファンドの中身は分散投資の教科書通りの配分で、連動する株価指数も王道です。Slim8資産よりも明確にバランスがいいといえます。Slim8資産もいい商品ですが、筆者ならば迷わず楽天バランスを取ります。このブログに来ていただき、最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
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