こんにちは、とあるコラムサイトで公認会計士を名乗る専門家が時間がない人にお勧めの投資対象を紹介する記事を寄稿していました。S&P500指数など株価指数に連動する上場投資信託(ETF)がお勧めという部分には大筋で異論はありません。しかし、どさくさに紛れて先物や差金決済(CFD)取引、外国為替証拠金取引(FX)を時間がない個人投資家にお勧めの投資対象とする意見には全面的に反対します。いずれも短期売買を前提とした手法で、決して時間がない人が「ほったらかし」感覚で気軽に手を出せるものではありません。勝者と敗者の和が等しい「ゼロサムゲーム」で、手数料や税金を考えればマイナスになります。カジノや競馬、競輪、パチンコよりは控除率がましなギャンブルに過ぎません。基本的にはポジションを取っている間は相場に張り付く覚悟が必要で、相当神経をすり減らします。投資規模や環境次第で短時間に数十万、数百万円、あるいは数千万円以上といった損失が確定しかねない危険性をはらんでいます。
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逆指値注文が効かずに「破産」も
某専門家は「先物は銘柄選びの労力は一切不要で、株価チャートなどを用いて売買のタイミングを判断するだけで済む」としています。銘柄選びの労力のくだりは置いておいて、株価チャートを用いた売買タイミングを図る投資は専門家の間でも優位性について意見が割れています。経験則上有効だとする立場(おそらく某専門家はこの立場)と、ただのオカルトにすぎないという立場です。なお、私自身はパチンコでいうところの「海物語の波読み理論(谷村理論)」(笑)などの類だと思っています。前提条件が少し変われば、簡単に崩壊するとも思っています。また、某専門家は「逆指値注文を確定すれば、自分が売買したい価格に近い価格で売買できる」としています。確かに逆指値注文が機能すれば、その通りかもしれません。しかし、2015年1月に起きた「スイスフランショック」では、極めて短時間に変動が発生した上に取引が停止して逆指値注文やロスカットが適正に機能せず、多額、巨額の損失が確定し自己破産に追い込まれた人が出ました。スイスフランショックはレアケースかもしれませんが、逆指値注文をすれば安心というわけでは決してありません。いずれにしても、先物やCFD取引、FXは時間のない人が気軽に手を出せる代物ではありません。レバレッジを低くすることもできますが、基本的には自分の投資資金以上のポジションを持つ「レバレッジ」投資を前提としています。カジノやパチンコ代わりに浪費の一種と割り切って遊ぶのにとどめるのが賢明だと思います。
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