こんにちは、岸田文雄首相は4月26日の経済財政諮問会議で「資産運用業等を抜本的に改革することが重要」として、資産運用会社の運用能力を強化するよう金融庁に指示しました。日経電子版など複数の国内の新聞社、通信社が報じました。日本の運用会社は毎月分配型投資信託など中長期の資産形成に向かない金融商品を多く作るなどの課題が専門家や投信ブロガーから繰り返し指摘されています。日経電子版によると、岸田政権が目指す個人の「貯蓄から投資」を促すには、運用会社の改善が必要と判断しました。金融庁は資産運用業界の経営課題を取りまとめており、抜本的な改革案を策定します。掛け声倒れや骨抜きにならずに、多くの運用会社が長期の資産形成に後押しする金融商品をしっかりと提供できる環境づくりを願います。
目先の利益を追う
日経電子版の該当記事です
日本の運用会社の多くは大手銀行や証券、保険のグループ会社に属しています。日経電子版によると、金融庁は、金融商品を作り、運用する際に親会社の意向に左右されやすいことが問題だと認識しているといいます。中長期で運用成績を高めるよりも、目先の利益ばかり追う傾向があると指摘されています。複利運用の原則に反する劣悪金融商品の毎月分配型投資信託、持続可能な開発目標(SDGs)、人工知能(AI)など流行を追いかけるテーマ型投資信託、金融派生商品(デリバティブ)取引を駆使し短期的に爆発的な収益を目指すブル・ベア型投資信託を多く作るなどの課題は長年識者らに言われ続けています。毎月分配型投資信託を妄信している人が一定数いる現状や2021~2022年のレバナスブームなどは売れれば何でもいいという運用会社の姿勢が見えていると感じずになりません。
欠かせぬ運用会社の体制
日経電子版によると、家計の資産の半分を占める1,000兆円の現預金を投資に回し、企業の成長を促しながら株価を上げ、資産所得を増やすのが政府の狙いとされています。その目的を達成するために、個人の中長期の資産形成に適した運用会社の体制が欠かせないと判断したとのことです。さらに、投資信託の市場規模は拡大しています。投資信託協会によると、公募投資信託は3月まで71カ月連続の資金流入超過で、純資産総額は166兆円と過去最高の水準です。ぜひ、しっかりと長期の資産形成に適した運用会社の体制づくりを進めていただきたいです。
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