こんにちは、上場投資信託(ETF)を除く国内公募追加型株式投資信託の2024年12月末時点の純資産総額ランキングトップ20で、低コストインデックス型は前月と同数の8本がランクインしました。1位はeMAXIS Slim 米国株式(スリムS&P500)で純資産総額(残高)6兆8,779億円、2位はeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)で純資産総額5兆4,814億円となり、いずれも月末ベースで両投資信託が設定(運用開始)して以来最高となりました。スリムS&P500もオルカンも3位以下を大きく引き離しています。資金流入額(推計)はスリムS&P500が4,050億円、オルカンが3,758億円と、どちらも設定以来最大です。少額投資非課税制度(NISA)などを通じて相変わらず大きく買われています。日経電子版が報じました。
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スリム先進国株式、たわら先進国株式が順位上昇

詳しい記事の内容は上のリンクからご覧ください。無料で読めます。トップ5にも前月に続き、NISAつみたて枠対象で時価総額加重平均型のS&P500指数、全米株価指数、全世界株価指数(日本含む)のいずれかに連動する4本が入りました。スリムS&P500、オルカンに加え、SBI・V・S&P500インデックス・ファンド(SBIVOO)が2兆730億円で4位、楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)が1兆8,635億円で5位といずれも順位は変わりませんでした。前月に確定拠出年金(DC)限定投資信託で初のトップ10入りを果たした野村外国株式インデックスファンド・MSCI‐KOKUSAI(野村先進国株式DC)が9,441億円で10位をキープしました。11位以下に対象を広げると、eMAXIS Slim 先進国株式インデックス(スリム先進国株式)が12位に順位を上げました。<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド(ニッセイ先進国株式)が16位と順位を落としました。たわらノーロード先進国株式(たわら先進国株式)が19位に順位が上昇しました。野村先進国株式DC以外がNISAつみたて投資枠(下級条件の成長投資枠も自動でクリア)対象です。トップ20に入ったインデックスファンド8本はいずれも、低コストで長期の資産形成におおむね適した指数に連動しています。
根深い毎月分配型や多分配型

一方、純資産総額ランキングトップ20には、毎月分配型(毎月決算型)投資信託を代表とする手数料をぼったくり続けている悪徳投資信託が以前よりは減ってきているものの複数残り続けています。多くは購入するだけで1~3%程度の手数料が発生し、毎年1.00~2.00%超の極めて割高な運用管理費用(信託報酬)が発生し続けます。NISAつみたて投資枠対象の低コストインデックスファンドならば、売買手数料は無料で信託報酬は年0.06%弱~年0.20%程度であるのに比べると一目瞭然です。さらに、毎月分配型投資信託は複利運用の基本に真っ向から反しており、投資家から手数料を巻き上げることだけを目的としていると断じてもいいです。どんな理由があろうと、投資どろこか検討する価値さえも一切ありません。経費控除後の配当や利子だけでなく、分配金の原資として到底適切とは思えない値上がり益や繰越分配対象額などを平気で原資としてきます。しかも、強引に分配金を払い出すために元本から取り崩すタコ足分配が当たり前のように行われています。さらに、多くの人にとって商品の仕組みが理解しがたい金融派生商品(デリバティブ)取引を駆使したタイプが多いです。毎月分配型は新NISAの投資対象から除外されましたが、隔月分配型や年4回分配型投資信託は残念ながら成長投資枠で投資対象になっているものもあります。隔月分配型や年4回もダメな金融商品に何ら変わりません。しかも、低コストで「NISAのサテライト投資に」をうたうものさえも出てきています。個人的には全くもって理解に苦しみますが、なぜか一定のインカム信奉者には刺さって人気を集めています。「退職後、老後、シニア層にはニーズがある」なんていう謳(うた)い文句は、売り手側が浅知恵を働かせて長年言い続けてきた売り文句(テンプレワード)に過ぎません。
NISAと相性最悪な多分配型投信

多分配型投資信託は特にNISAとの相性は最悪レベルに悪いと申し添えます。受け取ってしまうと確かに非課税ではありますが、分配金再投資による複利運用ができません。また、再投資してしまうとNISAの生涯投資枠及び年間投資枠を新たに消費してしまいます。基本的な株価指数に連動してNISAつみたて投資枠対象の低コストインデックス投資信託は分配金を出さずに配当金や分配金をファンド内で再投資し、効率的な複利運用を実現しています。ファンド内で配当金や分配金を再投資する際に、NISAの生涯投資枠及び年間投資枠を消費することは一切ありません。これらの差は運用期間が長くなればなるほど、運用成績が良ければ良いほど大きくなります。なお、運用効率が悪くなっても全然いい、NISAの生涯投資枠を無駄に消費しようと構わない、トータルリターンが悪くなろうと全く関係ない、それでも目の前のインカムがほしいと腹をくくって割り切っているならば、それはそれで自由であり、心からご意思を尊重すると申し添えます。私は絶対に採用しないし、したくなく、自らの良心に誓って他人に勧めることが何があってもできない投資手法ですが…。
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