こんにちは、金融庁が企業型確定拠出年金(DC)の運営管理機関のモニタリングに乗り出す方針を固めました。東洋経済オンラインが8日、報じました。報道によると、企業型DC運営管理機関に対するモニタリングで、加入者の最善の利益を損なう不誠実な業務運営があぶりされる可能性があると指摘しています。金融庁幹部は東洋経済オンラインの取材に対し、企業型DCの加入者の最善の利益を勘案した商品選定が行われているか否かが「重要な着眼点になる」と明かしています。DC限定インデックス型投資信託は少額投資非課税制度(NISA)つみたて枠対象投資信託よりも割高な傾向にあります。DCは厚労省の所管で、DCの運営管理機関は厚労省と金融庁の共同所管となっている点など迅速な改革に難しい点もあるのかもしれませんが、DCの運用者第一の運営管理機関となるよう徹底したモニタリングを求めたく思います。
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相対的に割高なコスト
東洋経済オンラインの該当記事
詳しい記事の内容は上のリンクからご覧ください。かつては、通常のインデックス型投資信託よりもDC限定インデックス型投資信託の方が運用管理費(信託報酬)が安い傾向にあり、「お宝投信」とさえ言われていました。旧つみたてNISA導入以降、通常のインデックス型投資信託の低コスト化が進み、DC限定投資信託は一部で低コスト化が進んでいるものの、全体としては相対的に割高になっています。東洋経済オンラインの記事では、ある運営管理機関幹部の話として、運営管理機関が今もDC専用商品ばかり並べる裏には「企業型DCの信託報酬を壊したくない意図もある」と明かしています。導入企業から加入者の利益を損なうような投資信託をラインナップに加えてほしいと要請されるケースもあるといいます。さらに、割高な信託報酬が選定される背景に、企業から運営管理機関に支払われる運営管理手数料が運営管理業務をまかなえるような十分な手数料を得られず、商品提供機関(投資信託の販売会社)として得られる信託報酬で事務コストの赤字を補填しようとするインセンティブが働く「ビジネスモデルのゆがみ」もあると指摘されています。その結果、企業型DCの加入者にしわ寄せがいっているということです。金融庁は「まずは運営管理機関の収益構造や運営実態を把握し、ビジネスモデルのゆがみによって加入者の利益が損なわれていないか分析したい」としています。加えて、金融グループの取引関係による商品ラインナップの偏りなども把握する考えだといいます。企業型DCの提供商品の改善は大きな課題の一つです。金融庁の徹底した調査を期待します。
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