こんにちは、7日から30日まで募集される2023年12月15日発行の個人向け国債変動10年(変動10)の金利が年0.60%(税引後年0.4781100%)と設定され、前回発行から0.09ポイント上昇しました。算定基準となる10年国債金利(長期金利)が年0.91%(前月比プラス0.14ポイント)となったからです。10月31日の日銀金融政策決定会合で長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)を再修正し年1%を「めど」に一定程度超えることを容認した決定を受けて長期金利が一層上昇しました。急激に金利が上昇すれば、償還(満期)までの残存年数により程度は変わりますが通常の債券価格は急落します。しかし、個人向け国債は債券価格が固定されているため、金利上昇による債券価格急落どころか下落と一切関係ありません。しかも、変動10ならば金利が追随して上昇します。新発債ならば発行時に、既発債ならば半年に1回反映されます。まさに変動10の強みをいかんなく発揮している局面です。価格や為替リスクとほぼ無縁の最強の無リスク資産と感じてなりません。
財務省ホームページ
100倍上昇後のメガバンク定期預金金利の3倍
変動10の金利は三菱UFJ銀行が100倍に上げた期間10年の定期預金金利年0.2%と比べ、3倍高いです。普通預金と比べたら600倍です。楽天証券と連携(マネーブリッジ)させた際の楽天銀行普通預金の金利年0.1%(預金額300万円以下まで)の6倍です。期待リターンに占める為替リスクの割合が極めて大きいかつ決定的(致命的)な影響を与える外国債券と違い、個人向け国債は為替リスクがありません。全世界株式インデックスファンドの分散投資先や安全資産の運用先として、最有力な候補と考えられます。こまめに長期金利をウオッチし、インターネットをくまなく探して、手間暇かけてやっとの思いで見つかるプレミアム短期定期預金金利の大半よりも上回っています。しかも、預貯金の安全度は個人向け国債よりも相対的に劣後します。
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あらゆる預貯金よりも相対的に安全
個人向け国債は財務省が毎月発行しています。満期は10年(あるいは5年、3年)ですが、発行後1年を経過すればいつでも中途換金ができます。中途換金時に直近2回分の各利子相当額×0.79685が差し引かれます。通常の債券と異なり、たとえ中途換金をしたとしても財務省(日本政府)が債務不履行(デフォルト)など破綻しない限り元本割れはしません。地銀はもちろん、メガバンクやゆうちょ銀行、インターネット銀行、信用金庫、農林中央金庫などあらゆる金融機関の預貯金よりも相対的に極めて安全といえます。日本政府が破綻する確率は極めて低く、あらゆる金融機関よりも信用は相対的に高いとされています。ただし、個人向け国債の弱点もあります。近況の反対の状況である金利下落時に通常の債券で得られる値上がり益は、個人向け国債では価格が固定されているためありません。さらに、預貯金のように常に引き出せるわけではなく、購入後1年は中途換金ができません。
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