こんにちは、上場投資信託(ETF)や確定拠出年金(DC)専用、ラップ専用を除いた国内運用会社のインデックスファンドの平均信託報酬を純資産総額で加重平均した結果、5月末現在で最も運用管理費(信託報酬)が低かったのはSBIアセットマネジメント(SBIAM)で年0.0985%でした。以下2位ニッセイアセットマネジメント(ニッセイAM)年0.1657%、3位楽天投信投資顧問(楽天AM)0.1703%、4位三菱UFJ国際投信(三菱AM)0.2050%でした。日経電子版が26日報じました。インデックスファンド本数が少ないかつ超低コストインデックスファンドに純資産総額が集まっているAMが上位に来た印象です。
日経電子版の該当ページ(無料記事です)
三菱AMは「一物多価」が浮き彫り
運用会社別のインデックスファンドの信託報酬平均は【表】の通りです。1位のSBIAMはインデックスファンドは15本で、純資産総額を圧倒的に集めているのはSBI・V・S&P500インデックス・ファンド(SBIVOO)です。純資産総額1兆円を目前としています。2位のニッセイAMは<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックス・ファンド(ニッセイ先進国株)が設定以来何度も信託報酬を引き下げ続け、既存の投資家を大切にしてきました。インデックスファンドは20本です。3位の楽天AMはインデックスファンドが7本で、楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)の割合が圧倒的に高く、純資産総額1兆円を超えています。純資産総額加重平均の信託報酬はかなり楽天VTIの信託報酬に寄っています。4位の三菱AMは国内最強の超低コストインデックスファンドシリーズeMAXIS Slimシリーズがあります。特にeMAXIS Slim 米国株式は国内全投資信託で純資産総額トップを誇り2兆円を超えています。eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)は純資産総額1兆円超えです。他にも、競合他社ならばエース級の純資産総額規模の投資信託がゴロゴロいます。それでも、純資産総額加重平均の信託報酬は4位です。101本もファンドがあることは決して無関係ではないと思います。eMAXIS Slimシリーズの商品の多くは、同じ株価指数に連動し、同じマザーファンドを共有し、同じ運用をしているのにも関わらず、信託報酬が0.1%強上乗せされる「つみたてんとうシリーズ」、信託報酬が0.3~0.5%上乗せされるeMAXIS Fatシリーズ(投信ブロガーによる非公式愛称)があります。他社が全くかなわない規模の純資産総額を誇るeMAXIS Slim 米国株式、オルカンはいずれも国内トップクラスの信託報酬の安さです。純資産総額加重平均で算定すれば、大きな信託報酬低下要因です。それでも、国内運用会社の純資産総額加重平均で算定した信託報酬でトップを取れないのは、「一物多価」の問題を解消していないからだと言わざるをえないと思います。
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