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「米国株が安全資産化!?」

オルカン国別比率 株式投資の心構え
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 こんにちは、25日付日経朝刊に「安全資産化する米国株」という目を疑う見出しのオピニオン(論説)記事が掲載されました。あくまで株式の一つである米国株が安全資産なんていう金融や投資の基本とは遠くかけ離れた珍説が、日本を代表する経済新聞の公式見解とは到底思えません。あくまで日経のコメンテーターいち個人の意見だと思います。確かに多種多様な識者の意見を掲載する面だろうことは十分に推察できますが、いくら何でも「米国株が安全資産」なんて明らかに間違った認識に基づく論説記事は掲載するべきではないでしょう。日本で一番権威のある経済専門紙の影響力は大きいです。この記事を読んだ読者が「米国株は安全資産」と誤解し、リスク許容度を超えた投資をしてしまわないことを願うばかりです。なお、一般に安全資産と呼ばれるのは、あらかじめ将来の収益がほぼ決まっており、元本割れを起こす可能性が極めて低い資産を指します。預貯金などの元本確保型商品や国債などです。

 

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年率リスク20%前後

安全資産化する米国株 消えゆく「100-年齢」の法則 本社コメンテーター 梶原誠 - 日本経済新聞
米アップル株の時価総額が、株式市場の歴史上初めて3兆ドル(約420兆円)を超えた。その陰で、米個人投資家に長く親しまれてきた法則が消えつつある。株の保有は金融資産の「100マイナス年齢(%)」がそれだ。年齢とともに価格変動リスクを取れなくな...

日経電子版にも掲載されています(有料会員限定記事です)

 詳しい該当記事は上のリンクからご覧ください。つっこみどころが多すぎて、全部は書ききれません(苦笑)。とりあえず、「米国株が高齢者も安心して持てる安全資産」とする論拠の例として挙げているのがたった一人の高齢投資家の話です。さらに、「歴史的危機を克服して株価は高値を更新してきた」という話はコメンテーターの意図と反して米国株も他の株式の例にもれず、リスク資産の証明になっているようにしか感じません。株式はある程度分散すれば個別企業によるリスクは低減できますが、どんなに銘柄分散、地域分散、通貨分散を図っても市場全体のリスクまではなくすことができません。なお、S&P500指数の期待リターンは年数%、年率リスク(1標準偏差)は20%前後とされています。急落時や暴落時は2標準偏差まで到達するのでマイナス30~40%まではいきます。なお、リーマン・ショック時は3標準偏差にも収まらず、50%をはるかに超える下落をしました。さらに幅広い地域、通貨、銘柄分散をしている全世界株でも、期待リターンは年数%、リスクは十数%程度とみられています。米国株にせよ、全世界株にせよ、他のあらゆる株式にせよ、立派なリスク資産の何物でもなく、決して安全資産と呼べません。なお、全世界株など広く分散された株式が長期的にリターンを見込める理由の一つとして、価格変動リスクの対価として見込まれるリスクプレミアムがあるからです。リスクプレミアムは「リスク資産の期待収益率-無リスク金利(通常は国債の金利)」で求められます。

 

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