低コストインデックスファンドシリーズ「eMAXIS Slim」を運用する三菱UFJアセットマネジメント(三菱AM)は、かつて純資産総額日本一で6兆円を近くを誇っていたグローバル・ソブリン・オープン 毎月決算型(グロソブ)のてこ入れを探ると日経電子版が報じました。日経電子版の記事によると、トランプ米政権の相互関税も契機にした米国株式依存への疑問が背景にあると報じています。海外の国債の金利は上昇しており、分配金の水準の引き上げが資金流入の契機になる可能性もあるとみているとのことです。確かにグロソブの中身が世界主要先進国の格付けA以上の国債や政府機関債と比較的まともではありますが、運用管理費用(信託報酬)年1.375%もかかる時点で債券投資信託としてコストが高すぎると言わざるを得ません。そもそも、毎月分配型の時点で投資対象として検討する価値は一切ないと断言します。正直に言えば、何を今更売り出すの(失笑)という感想しか持てません。
スリム先進国債券で問題なし

詳しい記事の内容は上のリンクをご覧ください(有料会員限定記事)。楽天証券に口座を開設し、取引アプリ「iSPEED」をダウンロードすれば、日経テレコンからも一定期間読めます。金利が上昇している先進国債券に投資をしたいのならば、同じ三菱AMが運用しているeMAXIS Slim 先進国債券インデックス(スリム先進国債券)の方が明確に上位互換です。信託報酬が年0.154%とグロソブのおよそ10分の1です。「日経の良心」として知られる編集委員田村正之氏がひとこと解説で言及している通り、コスト面の優位性のみならず、運用成績もスリム先進国債券が運用開始以降一貫してグロソブを大きく上回っています。田村氏はさらに、グロソブの1997年の設定来、世界債券指数は2.5倍になった一方で、グロソブの分配金込み基準価額が2倍にとどまっている点にも言及しています。高い信託報酬に加え、運用担当者の腕で市場平均を上回ることが難しいというアクティブ型の弱点がみてとれると解説しています。毎月分配を受けるということに対して支払う代償が大きすぎると言い切っています。今回の田村氏のひとこと解説はド正論すぎて、同意しかありません。
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