こんにちは、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は4日、2022年度第2四半期の運用成績をを発表しました。今期の収益率はマイナス0.88%、収益額はマイナス1兆7,220億円(うち利子・配当収入はプラス7,139億円)でした。2001年度の市場運用開始以降の累積収益率は年平均プラス3.47%、累積収益額はプラス99兆9,567億円(うち利子・配当収入プラス45兆3,108億円)でした。投資方針と資産配分を守って分散投資を続けていても、期間を切り取ればマイナスになる時期は当然あります。今期の収益額は1兆7,000億円超マイナスですが、収益率で見ればマイナス1%未満で特に驚く結果ではありません。
投資方針と資産配分を守った運用
GPIFは国内債券、外国債券、国内株式、外国株式に25%ずつ分散投資する方針を掲げています。国内外の株式、債券に分散投資をすることで、リスクを抑えつつ長期的に安定的な収益を目指した運用をしています。なお、プラスマイナス7%のずれは許容しています。現在の各資産の比率は23%台~27%台と投資方針と資産配分を守った投資ができています。年度によっては収益がマイナスになっている年もありますが、GPIFによると10年以上の期間で元本割れを起こした事例はなかったとのことです。方針を守った長期投資の結果だと思います。加えて累計収益に対する利子・配当収入が45%超を占めています。長期間投資を続けると、収益に対する利子・配当の割合が大きくなる傾向がうかがえます。
マイナス期間は当然ある
株式と債券にしっかりと分散投資をしてたとしても、リターンがマイナスになる期間は当然あり得ます。株式ならば高値から半値以下になることさえもあります。それでも10年、20年以上の長期ならば年平均リターンがプラスの範囲に収束していきます。GPIFの宮園雅敬理事長は2022年度第2四半期のリターンがマイナスになった理由について、世界的なインフレが進行する中で米国に続き欧州でも中央銀行が利上げに着手して為替が対ドルで円安が進行した点や景気後退への警戒感が強まった点を挙げています。今後の運営方針は「GPIFは長期的な観点から運用をし、投資原則・行動規範を遵守していく」と述べています。投資方針と資産配分を守った投資を続けるGPIFの姿勢は個人投資家にとってもお手本となると思います。
株式は時価総額加重平均の全世界株が基本
なお、株式に関しては「日本株50%+外国株50%」ではなく、「時価総額加重平均型の全世界株」が基本かつ王道であると申し添えます。日本株50%は日本株に著しく偏った集中投資とさえ思います。しかし、GPIFが日本株に多く配分している理由は長期的に安定した年金基金を運用する点に加え、公にはしていませんが日本株を買い支える目的あるからとみられています。GPIFが株式を世界の時価総額通りに保有する方針に変更したら、日本株は大きく下落するとみられます。GPIFにはGPIFなりの合理的な理由があります。
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